長崎原爆投下から75年が経ちました

平和の像

8月9日。
先日に続き、今日も代表からのメッセージをお届けします。

 

指先が空を指している。
その先になにがあるのか、幼きころの僕はなんの考えもなしにテレビに映る長崎の平和の像を眺めていた。

高校一年生のときあるキャンプに参加した。
それは、アメリカと広島と長崎と東京の高校生が一緒に平和について考えるキャンプワークショップだった。

メインはやはり戦争と原爆について。
それぞれの立ち位置や学んできたことを共有しながらも、互いを受け入れられず歯痒い思いをしたことを今も覚えている。

未来のこどもたちのため、正義と言いつつそれぞれの祖先が取った行動が、今現在の自分たちの考えに影響を及ぼし、そしてそれらのほとんどが僕らの底から出した答えではない。

だからこそ、昨日までカレーを一緒に作り、内紛の原因に耳を傾け、平和を願う高校生どうしでも互いを認めることはできなかったのだろう。

他人の考えを引用しているだけでは相手には届かなかった。そんな気がしている。

 

今なら思う。
人はきっと他者を受け入れることができる。

考え生き続ける限り、全くちがう考えを持った人と出会うし、そしてそれと同時に、想像しない考えを持つ人と出会う可能性にも気づく。
そういったセレンディピティが起き続ける。

自分が想像できない世界。
そこにある謎や未知は、不安や恐怖を呼び込みやすいけれど、そこにきっと対話の道がある。

空を指した指先は、僕らがつながっていることを示している。横に伸ばした手は、僕らが誰かとつなぐための手。

相手がどんな手をしているかわからないけれど、それを掴む勇気を持ち続けられるように、まずは近くの友人としっかり手を取っていこう。

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